「人手が足りない」「準備に追われて本番前に力尽きる」——イベント運営でAIを活用することで、少人数チームでもこの問題を解決できます。
GMOグローバルスタジオで、イベントの制作まわりを担う実働メンバーはわずか2名です。
それでも、クライアントとのヒアリングから当日の本番進行まで、多岐にわたる業務をこなし続けられるのはなぜか。
その答えは、「AIをフル活用する」という明確なスタンスにあります。
本記事では、少人数チームがAIを活用してイベント運営を効率化している実践的なノウハウを、業務別に詳しくご紹介します。
少人数でイベントを担当しているけど、毎回準備が大変で本番前にへとへとになってしまう…何か効率化できる方法はないかな?
AIってイベント運営に実際に使えるの?台本やテロップ制作みたいな専門業務でも対応できるの?
この記事でわかること
- イベント前準備にどれだけの業務が発生しているか
- 少人数チームがAIで効率化できる5つの業務と具体的な活用方法
- 「相手方のいる業務」でのAI活用をどこまで進めるべきか
- AI活用で生まれる「余白」が少人数チームを強くする理由
まず知っておきたい、イベント前準備の全体像
「イベントの仕事」と聞くと、当日の華やかな演出や司会進行をイメージする方も多いかもしれません。
しかし実際には、当日を迎えるまでの準備工程こそが業務の大半を占めています。
段取りの精度がそのままイベントの品質に直結するため、準備段階でどれだけ効率よく動けるかが成否を分けるといっても過言ではありません。
GMOグローバルスタジオのコンテンツチームで発生する主な業務は、以下のとおりです。
主な業務
- クライアントヒアリング
- 会議資料・提案資料の作成
- 進行台本の作成
- 出演者・登壇者の調整
- タイムスケジュールの策定
- テロップの作成
- 出演者・テクニカルメンバーへの情報共有
- 台本の印刷・配布
- 弁当・ケータリングの手配
- スタジオ内のセキュリティキー発行
- スタジオレイアウトのセッティング
- 契約書まわりの手続き
- 什器などの発注
- 当日の本番進行・仕切り
クリエイティブな業務から、総務・ロジスティクスにわたる実務まで、これだけ幅広い業務を2名でこなすには、人間の力だけでは到底まかないきれません。
だからこそ、「人間にしかできない物理的な作業以外は、極力AIに任せる」というスタンスが不可欠になります。
「AIありき」で動く——GMOグローバルスタジオの方針と現場の実態

GMOインターネットグループ全体では、業務へのAI活用を積極的に推進する方針が定まっています。
GMOグローバルスタジオのコンテンツチームでも、メンバーがジョインした時点からAIをフル活用して業務に当たることが前提となっています。
これは単なる「便利ツールの導入」ではありません。
少人数でクオリティの高いイベントを成立させるためには、AIの活用は選択肢ではなく前提条件です。
私たちが重視しているのは、「どうすればAIを使えるか」という発想ではなく、「どの業務をAIに渡せるか」という視点です。
まずAIに任せられる可能性を検討し、人間が関わるべきポイントだけに集中する——この順番で日々の業務を設計しています。
その結果として、少人数でも高品質なイベント運営が実現できているのです。
AIツールは日々進化しており、半年前には難しかった業務が今では自動化できることも珍しくありません。
そのため、定期的に「今の業務フローをAIで改善できないか」を見直す習慣も重要です。
チームとして最新のAI動向を継続的にキャッチアップしながら、業務設計をアップデートし続けることが、少人数チームの競争力を支えています。
AI活用でイベント運営を効率化する5つの業務
では実際に、どの業務でAIを活用しているのでしょうか。
現在、特に効果を実感している5つの業務と、それぞれの具体的な取り組みをご紹介します。
① クライアントヒアリング——チャットボットで最低限の情報を自動収集

案件の入口となるヒアリングには、チャットボットを導入しています。
イベントの概要・開催日時・参加人数・目的などの基本情報を自動で収集できる仕組みにすることで、担当者が逐一ヒアリングメールを送る手間を省いています。
情報収集の段階では、誰が担当しても同じ質問が漏れなく行われるため、ヒアリング精度のばらつきがなくなる点も大きなメリットです。
初動の情報収集を自動化することで、担当者はより深い提案や企画の検討に集中できるようになりました。
クライアントとの最初の接点が自動化されているからこそ、次のステップでの人間同士の対話をより価値あるものにできます。
ヒアリング業務は「記録すること」ではなく「洞察を得ること」が本来の目的であり、その本質的な部分に人間のリソースを集中させられる体制が整いました。
② 台本作成——AIで初稿を生成し、担当者がブラッシュアップ

進行台本の作成には、Claude Codeをフル活用しています。
従来のPowerPointやExcelを使った台本制作から脱却し、AIが初稿を生成し担当者がブラッシュアップするという流れを構築することで、ゼロから書き起こす作業を大幅に削減しています。
また、AIが生成した独自フォーマットで台本を管理できる専用アプリケーションの開発も現在進行中です。
台本作成でAIを活用するポイントは、「トーンと構成の指定」を丁寧に行うことです。
イベントの目的・対象者・演出のイメージを具体的に伝えるほど、初稿の品質が上がり、ブラッシュアップにかかる時間が短くなります。
「何を書くか」ではなく「どう仕上げるか」に集中できる環境が、クリエイティブの質を底上げします。
③ スケジュール策定——必要な要素を与えて最適なタイムラインを構築

イベントのスケジュール策定では、セッション数・登壇者数・移動時間・準備時間といった必要な要素をAIに与えることで、最適なタイムスケジュールを自動生成しています。
人が手作業で調整するとどうしても見落としがちな「バッファの取り方」や「転換時間の最適化」なども、AIに複数パターンを出力させて比較検討することで、より精度の高いスケジュールを短時間で仕上げられます。
特にオンラインとオフラインが混在するハイブリッドイベントでは、技術的な切り替えタイムや通信遅延の考慮など、変数が増えるため手動での調整には限界があります。
AIにパターン生成を任せることで、担当者は「このスケジュールで実際に無理が生じないか」という判断と検証に専念できます。
作業ではなく思考にリソースを集中させることが、スケジュール策定の品質を上げる鍵です。
④ 資料作成——構成から文章生成・スライド作成まで一貫してAIが支援

会議資料や提案資料の作成は、AIが最も力を発揮する領域のひとつです。
構成案の提示から文章の生成まで、担当者の「考える時間」を最大化するサポートをしてくれます。
構成を練る段階では、天秤AI byGMOを使って複数のAIに同時に問いかけ、回答を比較しながらアイデアを絞り込むこともあります。
近年はPowerPoint形式のスライドも自動生成できるようになったため、資料制作にかかる時間は以前と比べて大幅に短縮されています。
「構成を考える」「内容を精査する」「クライアントの意図に合わせてトーンを調整する」——こうした人間ならではの思考に集中できる環境が整いつつあります。
AIを使った資料作成は「手を抜く」ことではなく、「本質的な思考に集中する」ための手段です。
⑤ テロップ作成——専用アプリ開発で体裁整形を自動化

テロップ制作には、自社で開発した専用アプリケーションを活用しています。
クライアントから預かった情報をシステムに入力するだけで、体裁が自動で整えられ、そのまま送出できる仕組みを構築しました。
既製のツールではなく、自分たちの使いやすいフォーマットに合わせて開発しているため、利便性と精度が格段に向上しています。
これがAI活用の中で最も大きな効果を実感している取り組みです。
「自分たちのワークフローに合わせたアプリを自分たちで作れる」という点が、AI時代の大きな強みといえます。
SaaSツールを探して導入するのではなく、必要な機能をスクラッチで開発できる環境は、業務最適化の可能性を大きく広げます。
「相手方のいる業務」——AIに任せる範囲の見極めが鍵
弁当の発注やケータリングの手配など、外部の事業者とやりとりが発生する業務については、AIの自動化はまだ模索段階にあります。
スピードや正確さを求めるだけではなく、相手方との信頼関係やコミュニケーションの質を維持することが求められるためです。
「どこまでをAIに担わせるべきか」——これは単なる効率化の問題ではなく、ビジネスにおける誠実さにも関わる問いです。
外部業者への発注や問い合わせもAIに任せられたら楽なんだけど、相手への失礼や誤りが心配で踏み切れない…
「AIに任せる範囲」は一度決めたら終わりではなく、AIの精度向上とともに継続的に見直すものだと考えるようにしてから、一歩踏み出しやすくなりました。
この悩みは多くの担当者が感じるポイントです。
現時点での考え方は、「スピードと正確性はAIに任せ、人が関わるべき判断・配慮の場面だけは人間が担う」という線引きです。
たとえばメールの下書きをAIに生成させ、送信前に人間が確認・修正するという運用でも、工数は大幅に削減できます。
「AIに任せる範囲」は一度決めたら固定するものではなく、AIの精度向上とともに継続的に見直していくものです。
半年前には人間の判断が必要だった業務が、今のAIなら十分に対応できることもあります。
定期的に「この業務、今のAIなら任せられないか」と問い直す習慣が、AI活用の成熟度を高める鍵だと感じています。
AI活用が生む「余白の設計」——少人数チームを強くする考え方
イベント運営では、急なトラブルが付きものです。
登壇者の遅延、機材のトラブル、急な内容変更——こうした事態に対応するには、対応できる余裕(キャパシティ)が必要です。
少人数チームで余裕を生み出すのは容易ではありませんが、AIに任せられる業務を増やすことで、緊急時に対応できるキャパシティを確保することが可能になります。
そしてもうひとつ大切なことがあります。
AIに作業を任せることで生まれた時間を、「自分の思考のアウトプット」に充てるということです。
演出のアイデアを練る、クライアントの意図をより深く理解する、台本のトーンを磨く——こうしたクリエイティブな仕事こそ、人間が主役になれる領域です。
AIを使うことは、働く量を減らすためではなく、働く質を上げるためです。
ルーティン業務をAIに委ねることで、担当者の思考リソースがクリエイティブな仕事に向かう——このサイクルを意識的に設計することが、少人数チームが持続的に高品質なイベントを届け続けられる理由です。
GMOグローバルスタジオのイベント運営サポートについて
GMOグローバルスタジオでは、AIを活用した制作フローと充実した常設設備を組み合わせることで、少人数でも高品質なイベントを実現しています。
社内表彰式・キックオフ・決算説明会・ファンイベントなど、さまざまな種類のイベント実績があります。
「どんなイベントに対応できるか」「実際にどんな演出が可能か」は、以下の実績ページでご確認いただけます。
まとめ:「AIありき」の設計が少人数チームを最強にする
AIの発展によって、かつては考えられなかった少人数体制でも高品質なイベント運営ができる時代になりつつあります。
ヒアリングから当日の本番進行まで、2名のチームで担える環境が整いつつある——それが今のGMOグローバルスタジオの実感です。
大切なのは、AIを「便利なツール」として表面的に使うのではなく、業務フローそのものをAIを前提に設計し直すことです。
チャットボットによる情報収集、専用アプリによるテロップ自動化、生成AIによる台本の初稿生成——どれも「まずAIにできないか考える」という姿勢から生まれた取り組みです。
この思考の順番を変えるだけで、同じ人員・同じ時間でもアウトプットの質と量は大きく変わります。
少人数でのイベント運営に悩む担当者の方は、ぜひ自分たちの業務リストを見直してみてください。
「この作業、AIに任せられないか?」——その問いを日常的に持ち続けることが、AI時代のイベントチームの最大の強みになります。
GMOグローバルスタジオでは、AI活用によるイベント効率化のご相談もお受けしています。お気軽にお問い合わせください。




