「イベントの映像にバーチャル空間を取り入れたいけれど、合成が不自然にならないか心配」
「XR演出って実際どんな技術で動いているの?」
――そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回はGMOグローバルスタジオのXR体験を根底から支えているカメラトラッキングセンサーについて、わかりやすく解説します。
XR演出って、カメラが動いても映像がずれないのはなぜ?
カメラトラッキングセンサーって何をしているの?専門的すぎて理解できるか不安…
ビジネスイベントでもこういった技術って使えるの?
これらの疑問に、この記事でしっかりお答えします。
技術的な内容も、なるべく平易な言葉で説明しますのでご安心ください。
GMOグローバルスタジオのXR演出とは?

GMOグローバルスタジオは、東京都世田谷区・用賀駅直結の「GMOインターネットTOWER」最上階に位置するライブイベントスタジオです。
メインスタジオ「WORLD STUDIO」には壁面から床面まで広がる約500インチの大型LEDディスプレイを常設しており、専用カメラとVFX映像技術を組み合わせることで、圧倒的なスケール感を持つバーチャルイベントを実現しています。
GMOグローバルスタジオのXR演出の核心は、現実空間と仮想空間をシームレスに融合させることです。
例えば、リアルな会場にいながら、巨大な3DCG映像やバーチャルセットが広がるような演出は、映像制作・イベント担当者双方から高い注目を集めています。
企業の新商品発表会や社内表彰式、ファンイベントなど、さまざまな場面でこの技術が活用されてきました。


こうした「違和感のない現実とバーチャルの融合」を実現するために、欠かせない存在があります。
それが、カメラに取り付けられたトラッキングセンサーです。
カメラトラッキングセンサーとは何か?その役割を解説
なぜトラッキングが必要なのか
XR演出では、リアルな映像とCGを重ね合わせることで、まるでバーチャルオブジェクトが現実空間に存在しているかのような映像を作り出します。
しかし、カメラが少しでも動くと大きな問題が発生します。
カメラの位置や角度がわずかに変わるだけで、リアル映像とCGの視点にズレが生じ、バーチャルオブジェクトが「浮いて見える」「背景から剥がれて見える」という不自然な映像になってしまうのです。
これを防ぐために必要なのが、カメラの位置・角度・レンズ情報をリアルタイムで正確に把握し続けることです。
この役割を担うのが、カメラトラッキングセンサーです。
カメラが動くたびにその動きをミリ単位以下の精度で検知し、CGシステムへ即座にデータを送ることで、現実空間と仮想空間の座標を常に一致させます。
トラッキングの精度が、XR演出のリアルさを直接決定づけます。
逆に言えば、どれほど高品質なCGを用意しても、トラッキングが不安定では没入感のある演出は実現できません。
トラッキングシステムが把握している情報
カメラトラッキングシステムが取得するデータは、大きく2種類に分けられます。
1つ目は外部データで、カメラの位置(X・Y・Z軸の座標)と向き(パン・チルト・ロール)です。
2つ目は内部データで、レンズのズーム量・フォーカス距離・絞り(F値)といった光学情報です。
この2種類のデータを組み合わせることで、CGシステムはカメラと全く同じ視点・視野角を再現したバーチャルカメラを生成します。
これにより、カメラがどんな動きをしても、現実空間とバーチャル空間が完全に同期した映像を出力し続けることができます。
GMOグローバルスタジオが導入するRedSpy 3.0の仕組み

GMOグローバルスタジオでは、カメラ用トラッキングセンサーとしてStype社のRedSpy 3.0を導入しています。
このシステムがどのように動作しているのか、ステップを追って解説します。
①スタジオにマーカーを設置する
まず、スタジオ内の天井に、小さな反射材(リフレクティブマーカー)を設置します。
これらは光を強く反射する素材でできており、センサーから照射された赤外線を効率よく返す役割を持ちます。
マーカーの配置パターン自体がシステムに登録されており、後の位置計算の基準となります。
②センサーが赤外線を照射・受信する
カメラに装着されたRedSpy 3.0は、周囲のマーカーへ向けて赤外線を照射し、反射してきた光をセンサー内部のカメラが読み取ります。
複数のマーカーから反射した光の角度・距離・パターンを瞬時に解析することで、スタジオ空間内における自分(センサー)の位置と方向を算出します。
この計算は毎秒何十回もリアルタイムで行われているため、カメラの動きにほぼ遅延なく追従します。
③加速度センサー・ジャイロセンサーで精度を補完する
RedSpy 3.0には、光学式マーカートラッキングに加えて加速度センサーとジャイロセンサーも搭載されています。
マーカーが一時的に遮られたり、高速なカメラワークでマーカー認識が追いつかなかったりする瞬間でも、加速度・角速度の情報を組み合わせてトラッキングデータを補完します。
これにより、クレーンカメラを使ったダイナミックな動きや、素早いカメラ操作にも安定して対応できます。
④トラッキングデータをCGシステムに送信する
算出されたカメラの位置・角度・レンズ情報は、リアルタイムでCGシステムへ送信されます。
GMOグローバルスタジオでは、映像制作ソフトウェアとしてdisguiseやUnreal Engineなど業界標準のシステムを導入しており、RedSpy 3.0はこれらと直接連携します。
CGシステムは受け取ったデータをもとにバーチャルカメラを制御し、リアル映像と同じ視点で3DCGを描画することで、現実とバーチャルが溶け合うXR映像が完成します。
RedSpy 3.0のポイントまとめ
・赤外線マーカー方式でミリ単位以下の測位精度を実現
・加速度センサー+ジャイロセンサーで高速カメラワークにも対応
・disguise・Unreal Engineなど業界標準ソフトと直接連携
・ライブ配信中のリアルタイム処理にも対応
カメラトラッキングはXR演出にどう貢献するのか
バーチャルオブジェクトが「現実に存在する」ように見える理由
カメラトラッキングの精度が高いほど、映像内のバーチャルオブジェクトは現実空間に固定されているかのように振る舞います。
例えば、床に置かれた仮想の商品を別のカメラアングルから撮影しても、商品は床の同じ位置にあり続けます。
カメラが左に移動すれば商品は右に相対移動し、カメラが近づけば大きく見える――こういった当たり前の「物理的挙動」を映像の中で再現できるのが、高精度トラッキングの力です。
人間の目は、現実とCGのわずかなズレに対して敏感に反応します。
ほんの数ミリのずれでも「何かが変だ」という違和感として知覚されてしまいます。
RedSpy 3.0がミリ単位以下の精度でカメラを追跡し続けることで、はじめて「見ている人が違和感を覚えない」XR映像が完成するのです。
動的なカメラワークでも没入感を維持できる
静止したカメラでXR合成を行うだけなら、比較的シンプルな技術でも対応できます。
しかし、GMOグローバルスタジオではクレーンカメラを活用した大きな弧を描くようなカメラワークや、手持ちカメラによるダイナミックな動きを配信に取り入れることがあります。
こうした動きの激しいシーンでも、RedSpy 3.0のリアルタイム追跡によって現実とバーチャルが常に同期し続けるため、配信視聴者が感じる没入感が損なわれません。
特にライブ配信では一発勝負のため、「録画してから後で修正する」ことはできません。
リアルタイム性と精度の両立こそが、ライブXR演出の最大の技術的難所であり、RedSpy 3.0はこの課題に正面から応えるシステムです。
ビジネスイベントでのXR活用:どんな場面で使えるのか
カメラトラッキングセンサーを活用したXR演出は、エンタメ分野だけでなく、企業のビジネスイベントでも大きな価値を発揮します。
ここでは、具体的な活用場面をご紹介します。
新製品発表会・プロモーションイベント
新製品を発表する際、従来はスライドやプロジェクター映像が主流でした。
XR演出を組み合わせることで、登壇者の周囲に製品の3DCGモデルを実物大で出現させたり、製品の機能を映像で動的に説明したりといった、インパクトの強い演出が可能になります。
リアル会場の参加者とオンライン視聴者の双方に、同じ「驚き」を届けられることも大きな強みです。
決算説明会・IRイベント
GMOグローバルスタジオでは、XRバーチャルセットを活用した決算説明会の実績もあります。
グラフや数値データをバーチャルで空間に浮かべながらプレゼンテーションを行うことで、情報の視認性が高まり、投資家・株主様への訴求力が向上します。
オンラインのみでの開催はもちろん、会場参加とオンライン視聴を組み合わせたハイブリッド形式にも対応しています。
社内表彰イベント・キックオフイベント
約250名がリアル参加し、全世界7,800名以上に向けてライブ配信を行った「GMOアワード2024」では、XR技術を活用した表彰シーンが参加者を大いに盛り上げました。
通常の表彰式では難しい「スペクタクルな演出」も、XR技術と高精度トラッキングの組み合わせによって実現できます。
会場に集まる人々だけでなく、遠方のメンバーにも同じ感動を届けられる点で、グローバルに展開する企業にとっても有効な選択肢です。
XR演出のよくある疑問に答えます
Q. XR演出は準備に時間がかかりますか?
GMOグローバルスタジオでは、RedSpy 3.0のマーカー設置や初期キャリブレーションはあらかじめ完了しています。
新たにイベントを実施する際、イベントごとのCGコンテンツ制作や演出設計は必要ですが、トラッキングシステム自体のセットアップはすでに整っているため、スクラッチから準備する必要はありません。
専門メンバーが一貫してサポートする体制も整っており、XR演出が初めての場合でも安心して相談いただけます。
Q. 会場に人が入っても演出は維持されますか?
リアルタイムのトラッキングシステムは、登壇者・観客・スタッフが会場内を動いていても動作に影響を受けません。
カメラとマーカーの間に人が入るなど一時的に遮られる場合でも、加速度センサー・ジャイロセンサーによる補完機能が働くため、XR映像の安定性は保たれます。
約140名の有観客イベントにも対応しているので、大きなリアルイベントとXR演出を組み合わせることが可能です。
Q. 使用できる3DCGソフトに制限はありますか?
RedSpy 3.0はdisguise・Unreal Engineなど業界で広く使われているシステムとの連携に対応しています。
そのため、映像制作側が普段使い慣れたワークフローをそのまま活かしやすく、新たな技術習得の負担が少ない点も実務上のメリットです。
具体的なCG制作ツールやコンテンツ要件については、GMOグローバルスタジオのメンバーに直接ご相談いただくことをおすすめします。
GMOグローバルスタジオでXR演出を検討する際のポイント

カメラトラッキングセンサーという「縁の下の力持ち」の存在を理解したうえで、GMOグローバルスタジオのXR演出を活用する際に押さえておきたいポイントを整理します。
①演出の目的を明確にする
「バーチャル背景でスケール感を出したい」のか、「3DCGで製品を立体的に見せたい」のか、「リアルとバーチャルを完全に融合させたい」のかによって、必要なCGコンテンツや演出設計が変わります。
GMOグローバルスタジオにはXR演出に精通したディレクターが在籍しており、目的に合わせた最適なプランを提案します。
②オンラインとリアルのどちらに主軸を置くかを考える
XR演出は特にオンライン視聴者側に大きな体験価値をもたらしますが、リアル会場の参加者にもLEDディスプレイを通じて迫力ある映像を届けることができます。
一方で、双方が「主役」になれるハイブリッドイベントの設計こそが、GMOグローバルスタジオが最も得意とする領域です。
③スタジオへのアクセス
スタジオへのアクセスのしやすさも見逃せないポイントです。
東急田園都市線・用賀駅直結という立地で、渋谷から約12分とアクセスも良好です。
全国・海外からリモートで参加するメンバーにもXR映像で同じ世界観を届けながら、リアル参加者には生の会場の熱量を感じてもらえます。
まとめ

GMOグローバルスタジオのXR体験を根底で支えているのが、Stype社のRedSpy 3.0カメラトラッキングセンサーです。
スタジオ内に配置した赤外線マーカーとセンサーが連動し、カメラの位置・角度をミリ単位以下の精度でリアルタイムに把握することで、現実空間とバーチャル空間の座標を常に一致させます。
加速度センサーやジャイロセンサーも組み合わさることで、ダイナミックな動きにも対応でき、ライブ配信中でも安定した没入感のある映像が実現します。
カメラトラッキングセンサーの精度が、XR演出の「リアルさ」を決定づけます。
GMOグローバルスタジオでは演出設計・当日運営まで、ワンストップでサポートしています。
こうした技術は、エンターテインメント分野にとどまらず、新製品発表会・決算説明会・社内表彰イベントなど、あらゆるビジネスシーンでの活用が広がっています。
「他にはない体験を参加者に届けたい」「バーチャルとリアルを融合した新しいイベントをつくりたい」とお考えであれば、まずはGMOグローバルスタジオへご相談ください。




