近年、ウェビナーやオンライン会議、ハイブリッドイベントなどインターネット配信を活用したビジネスシーンが急増しています。
しかしその一方で、「音声が出ない」「映像が途切れる」「トラブルで配信中断」といった配信トラブルも多発しており、視聴者の離脱や企業ブランドの毀損といったリスクにつながることもあります。
この記事では、よくある配信トラブルの事例とその対策方法を実践的に紹介し、トラブルを未然に防ぐためのポイントをわかりやすくご紹介します。
スムーズで安全な配信を行うためには、事前にどんなトラブルが起こり得るかを理解し、万全の対策を講じておくことが重要です。
配信トラブル事例とその対策
準備してたつもりでも発生してしまう「配信トラブル」
その事例と対策を紹介します!
インターネット回線トラブル

よくある問題
映像や音声が途切れる、配信が停止するなどの通信系トラブルは、主にインターネット回線の不安定さが原因です。
Wi-Fiの帯域不足や会場のネットワーク障害が影響するケースが多く、インターネット回線のトラブルにより視聴者に映像が届かなくなるケースが実際に起きています。
「準備も整ったし、あとは配信するだけだ!」という時に、配信場所の通信・回線状況を確認していなかったために断念するしかなかった…ということがないように気をつけましょう。
対策のポイント
配信ではWi-Fiよりも有線LANを強く推奨します。
特にホテルの宴会場やレンタルスペースなどの会場では、他の利用者と回線を共有するため速度が低下しやすく、不安定になりがちです。
そのため、可能であれば専用線を利用しましょう。
また、配信前には回線速度を測定し、通信状態を確認します。
目安としては、上り30Mbps以上が望ましいとされています。
更に、通信が途切れた際のリスクに備えて、モバイルルーターや異なる通信キャリアによるバックアップ回線を用意しておくと安心です。
切替は手動でも構いませんが、切替機能付きの配信機器を使えば自動的に予備回線に移行することも可能です。
インターネット回線トラブルを防ぐ 事前チェックリスト
- 有線LANで安定した回線を使用する
- 事前に通信速度をテストする
- モバイル回線など予備回線の用意し回線を冗長化する
機材トラブル

よくある問題
配信を行う上で最もトラブルのリスクが高いのが、映像・音声機材です。
音声が出ない、映像が乱れる、カメラやマイクが反応しないといった機材の不具合は、配信トラブルの中でも頻出です。
これらのトラブルが原因で、画面がブラックアウトし配信が中断することも考えられます。
対策のポイント
機材トラブルを防ぐ基本は、事前の十分なテストと備えです。
配信前日または当日の早い段階で、必ず機材のセッティング時間に加え、正常に作動するか確かめる時間を確保し、すべての音響・映像機材が正常に動作するかをチェックしましょう。
マイクの感度確認や、カメラ映像のフレーミング調整も重要です。
ケーブルの接続不良や断線がトラブルの原因になることも多いため、予備の機材も準備しておくと安心です。
配信中に「音が出てない」とコメントが来たときの絶望感…本当に焦りますよね。
また、配信中は専任の技術スタッフがリアルタイムでモニタリングし、何か異常が発生した際には即時に対応できる体制を整えておきましょう。
機材トラブルを防ぐ 事前チェックリスト
- 配信前にすべての機材をテストする
動作確認をするための時間を確保しておく - マイク、カメラ、ケーブル類の接続確認
- バックアップ機材(予備マイク・カメラ・PCなど)を用意する
- トラブルに即時対応できる技術スタッフをアサインする
進行トラブル

よくある問題
配信の進行が遅れる、タイムスケジュール通りに進まない、司会者・スタッフ・リモート登壇者の連携ミスなどが原因で、進行が止まり長時間の沈黙が発生することもあります。
特に配信では視聴者がすぐに離脱してしまうため、テンポの悪さは致命的です。
つつがない進行は、インターネット配信に不可欠です。
対策のポイント
進行トラブルを防ぐためには、詳細な進行表とスタッフ間の連携が不可欠です。
いつ、誰が、何をするのかを明確に記した進行表を作成し、それに沿ったリハーサルをしっかりと実施しましょう。
特にリモート登壇者がいる場合は、接続テストやツールの使い方確認も忘れずに行うことが重要です。
開催当日はインカムやグループチャットなど、即時連絡できる手段を整え、トラブル時にスムーズな指示伝達が行える体制にしておくと安心です。
進行トラブルを防ぐ 事前チェックリスト
- 詳細な進行表を作成し、役割・指示系統を明確にする
- 事前リハーサルで段取りを確認する
- スタッフ間の連絡手段(インカム・チャット)を整備する
発言トラブル・炎上

よくある問題
ライブ配信では、出演者の何気ない一言が思わぬ炎上につながるリスクもあります。
不適切な発言や機密情報の漏洩、あるいは視聴者に誤解を与えるコメントはSNSで瞬く間に拡散され、企業やサービス、ブランドの信用を損ねかねません。
特にハイブリッド配信の場合は、出演者がクローズドな環境だと勘違いして、リップサービスのつもりで発した言葉が炎上につながる…ということもあります。
ちょっと冗談のつもりで”発言したことがSNSで切り取られて炎上…なんて怖すぎます!
だからこそ、注意する必要があります。
対策のポイント
出演者による不用意な発言は、企業・サービス・ブランドに深刻なダメージを与える可能性があります。
リハーサル時や事前打ち合わせの際に、発言内容を確認し、機密情報や過激な表現が含まれていないかをチェックしましょう。
特にフリートークがある場合は注意が必要です。
また、生配信においては数秒~十数秒のディレイを挟むことで、不適切な発言があった場合に配信を一時停止したり修正する余地を持たせることができます。
万が一の際には、すぐに謝罪・訂正する対応フローを準備・構築しておくことも重要です。
発言トラブル・炎上を防ぐ 事前チェックリスト
- 発言内容の事前確認・打ち合わせを徹底する
- 台本に不適切な表現がないかチェック
- 配信にディレイ(遅延)を設け、緊急時に止められる仕組みを導入する
- 不適切な発言が出た場合の即時訂正マニュアルを整備する
トラブルを未然に防ぐための3つのポイント
配信トラブルの具体例とその対策を見てきましたが、最も重要なのは「トラブルが起きる前に備えること」です。
ここでは、それらの事例を踏まえて、すべての配信に共通する基本的な予防策として押さえておきたい3つのポイントを、より詳しく解説します。
1,入念な準備とリハーサル


配信当日に“初めて起こること”がないよう、すべてを事前に確認することが鉄則です。
通信環境、機材、出演者のセッティング、登壇者との接続など、あらゆる工程を事前にシミュレーションし、想定外の事態を洗い出しましょう。
進行表に基づいたリハーサルは最低1回、可能であれば2回以上行うとより安心です。
2, 専門スタッフの配置と明確な役割分担


配信現場では、トラブルが起きたときに即座に対応できるスキルと経験が求められます。
映像・音声のオペレーター、進行管理、チャット対応など、それぞれの担当を明確に分けることで、混乱を避けることができます。
スタッフが限られる場合は、最小限のチームでも役割の重複がないよう事前に調整しておくことが大切です。
3,配信に適した会場と機材選定
会場や設備は「配信向き」であるかどうかを必ず確認しましょう。
遮音性が低かったり、照明が不足していたりする会場では、視聴体験の質が大きく損なわれてしまいます。
インターネット回線も重要で、できれば専用線が利用できる場所を選ぶとベストです。
必要な機材がそろっているか、レンタル可能かどうかもあわせて確認しましょう。
GMOグローバルスタジオで“しくじり配信”を防ぐ


初めての配信や重要な発表でも、プロ仕様の設備とスタッフサポートで万全の配信を実現するのが「GMOグローバルスタジオ」です。
GMOグローバルスタジオのサポート
- 最新の映像・音響設備
業務用カメラやマイクを完備し、プロクオリティの映像配信が可能。 - 高速・安定したインターネット環境
独自のネットワーク回線で、途切れない配信を実現。 - 専門スタッフによるフルサポート
配信設計・台本作成から当日のオペレーションまでワンストップで支援。 - ハイブリッドイベントにも柔軟対応
リアルとオンラインを融合させた複雑なイベントにも対応。


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リアルとオンラインのハイブリッドイベントにも対応できる環境が整っており、臨場感のある演出が可能です。
まとめ
インターネット配信におけるトラブルを完全にゼロにすることは難しいですが、正しい準備と体制があればリスクを最小限に抑えられます。
事前のリハーサルや機材・回線チェックに加え、信頼できるサポート体制を整えて、万全の状態で本番に臨みましょう。
万全の対策を行い、必要に応じてプロの力を借りることで、安心してオンライン配信やハイブリッドイベントに臨むことができるでしょう。