インターネットインフラを軸に130社を超えるグループを形成するGMOインターネットグループが、映像・コンテンツの領域に本格参入する。その核を担うのが、GMOグローバルスタジオ株式会社とサムライパートナーズ株式会社が設立した合弁会社「GMOサムライコンテンツスタジオ」だ。

国内最高峰のXRスタジオ設備を持つGMOと、コンテンツプロデュースのノウハウを持つサムライパートナーズ。異なる強みを持つ2社は、なぜ手を組んだのか。そして、この合弁会社が目指す先にあるものとは。両社の代表が、率直な言葉で語り合った。

対談動画

登場人物紹介

橋口 誠

橋口 誠

GMOインターネットグループ株式会社 グループ専務執行役員・CBO
GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長

株式会社日広(現GMO NIKKO株式会社)にて取締役・代表取締役を歴任後、GMOアドパートナーズ株式会社 代表取締役社長に就任。
2017年よりGMOインターネットグループ株式会社にてグループ広告部門・ブランド・広報を統括。
2023年よりGMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長を兼務。
2025年3月よりグループ専務執行役員・CBO。

入江巨之

入江 巨之

株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO

1985年6月12日生まれ、長崎県出身。
プロモーション領域から独自の価値を創造し続けるビジネスクリエイター。YouTubeプロモーション・SNSマーケティングをはじめ、D2Cプランニング、コンテンツプロデュース、イベント企画・運営、映像制作など幅広い領域を手がける。
DJ I-RIEとしてアーティスト活動も行い、ビジネスとクリエイティブの両面から挑戦を続ける。

「コンテンツの横軸」──GMOが長年持てなかったピースを埋める

GMOグローバルスタジオがある GMOインターネットTOWER(東京・世田谷区)

GMOインターネットグループは創業から30年、インターネットインフラという「縁の下の力持ち」として成長してきた。
ドメイン、サーバー、決済……その事業群は日本のインターネット産業の骨格を支えているといっても過言ではない。しかし、入江氏はGMOに対してある欠落を感じていたと言う。

入江(株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO)

インフラもそうですし、様々なサービスを生み出して仲間作りも広げてきた——本当に広大なグループだと思います。
ただ、見ていて「唯一メディアの横軸がまだできていないな」と感じていたんです。
グループの外に向けて、自分たちの魅力や価値を届ける発信の仕組みが、まだ整っていない。
そこが逆に、自分たちの入りどころかもしれないと思ってご提案させていただきました。

橋口(GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長)

コンテンツのビジネスというのは、GMOインターネットグループの中にはない領域です。
入江さんのノウハウに期待しているというか、ご一緒することによって、新しい何かが生み出せるんじゃないかという思いがあります。
今まではイベントとスタジオを貸すという形しかできなかった。
入江さんと一緒になることで、コンテンツそのものを作って提供できるようになる——そこが今回の一番大きな意味だと思っています。

ハードウェアは世界レベルで整えた。
ただ、コンテンツを生み出す力はまだ弱かった。

国内最高峰のスタジオに眠っていた「未使用の可能性」

GMOグローバルスタジオで開催した「GMO AWARDS 2025」
GMOグローバルスタジオ

世田谷区用賀のGMOインターネットTOWER最上階にあるGMOグローバルスタジオは、3DCGで制作したバーチャルステージとリアル空間をリアルタイムで融合できるXR(クロスリアリティ)設備を備える。
特効演出も可能な有観客ライブ配信環境は、国内でも類を見ない仕様だ。しかし橋口氏は「使いこなせる人がいなかった」と明かす。

橋口(GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長)

そうですね。これまではグループ内外のイベント開催と、スタジオを貸し出すという形しかできていなかったんです。
装置としては最高のものを作ったけれど、それを最大限に活かすには、コンテンツを企画・制作できる人間が必要でした。
機材が揃っているだけでは、スタジオは動かない。

入江(株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO)

初めてあのスタジオを使わせてもらったのが、自民党総裁選の中継だったんですよ。
急な話で、2週間もない準備期間でした。それでもセキュリティ計画から回線まで全部サポートいただいて、ノーミスでライブ配信を終えられた。
その時に「なんてすごいスタジオだ」と思いました。同時に、こんなポテンシャルがあるのに、まだ眠っている——と。

機材が揃っているだけでは、スタジオは動かない

渋谷に「ビル1棟スタジオ」──暴挙とも言える挑戦に込めた本気

新スタジオの活用イメージ

合弁会社の拠点となるのは、既存の用賀スタジオだけではない。
渋谷のビル1棟を丸ごとスタジオに改装するという、大規模プロジェクトが動いている。3つの撮影スタジオとイベントスペースを内包する新拠点は、2025年のオープンを目指す。

橋口(GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長)

熊谷(代表)から「いい物件が出た」と連絡が来て、食事中にそのまま話が進んだんです(笑)。用賀は最高峰のスタジオですが、「まずあそこで試してみましょう」とハードルが高い面もある。渋谷には中規模のスタジオを整え、そこで経験を積みながら用賀につなげるという流れを作りたい。入江さんと組んだことで、その設計がやっと現実的になりました。

入江(株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO)

僕は正直、暴挙だと思いましたよ(笑)。ビル1棟まるまるスタジオにするなんて。でも、だからこそ面白い。
今まで日本の企業や個人がアワードや発表会を開催する際、本当に素晴らしい映像体験を提供できる場所がなかった。
特効まで打てるスタジオで企業のアワードをやったら、出席者の記憶に一生残るものになる。そういう体験を届けたいんです。

そういう体験を届けたい──出席者の記憶に一生残るようなものを

「コンテンツ×AI」──日本の強みを世界に届ける方程式

YouTube動画より

この対談が行われた時期、AIの進化は急速に加速していた。
GMOインターネットグループでは、全社員を対象にAIツール費用の支援金制度を設け、月に1日「AIデー」を設けるなど、組織全体でのAI活用を推進している。
2027年末までに「ハイパーオートメーション企業グループ」になるという大きな目標も掲げた。

橋口(GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長)

動画も音楽も、あらゆるコンテンツ制作にAIが入り込んできています。大企業だからこそ、AIを使える人と使えない人の差が広がることへの危機感がある。
だから今、全社員が自分でAIツールを選んで使える環境を整えています。毎週ものすごいアップデートがあるので、日常業務に追われているとついていけなくなる。
月に1日「AIデー」を設け、1日どっぷりAIをインプットして自分自身をアップデートする日を作っています。

入江(株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO)

AIはどんどん高度になる。でも、素材がなければAIに何も学習させられない。
人の感性から生まれるオリジナルコンテンツの価値は、むしろ上がっていくと思っています。
そして、日本はコンテンツが圧倒的に豊富な国です。アニメ、映像、音楽、エンタメ——これだけの資産があるのに、世界に届ける仕組みが弱かった。
AIを道具として使いこなしながら、日本のコンテンツを世界へ送り出す。それが僕の本当にやりたいことです。

AIを道具として使いこなしながら、日本のコンテンツを世界へ送り出す

「確変」を起こすために──互いに期待することと、1〜2年後の景色

GMOサムライコンテンツスタジオ

合弁会社に互いが期待することを、それぞれが語った。

橋口(GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長)

コンテンツビジネスというのは、GMOインターネットグループの中になかった領域です。
入江さんが持っているノウハウ、人のつながり、コンテンツを面白くする嗅覚——そういうものは、資本力があっても買えるものじゃない。
今回ご一緒することで、確変と言いますか、何か新しいものが生まれる予感がしています。

入江(株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO)

僕はGMOインターネットグループさんと組む以上、利益をしっかり上げて「良かった」と言っていただける結果を出したい。
そのためにも、スタジオをただ動かすだけじゃなく、コンテンツと掛け合わせることでスポンサーを集め、才能あるクリエイターを巻き込み、スポーツの生中継権まで取りに行く。
そういう大きな絵を描いています。スタジオとコンテンツが掛け合わさった時に、日本のメディアのあり方が変わると思っているので。

1〜2年後に見ていたい景色

橋口(GMOグローバルスタジオ株式会社 代表取締役社長)

渋谷と用賀、2つのスタジオがともにフル稼働している状態ですね。
そこに、企業のイベントがあり、エンタメのコンテンツがあり、毎日何かが生まれている——そういう場所にしたい。

入江(株式会社サムライパートナーズ 代表取締役CEO)

熊谷代表に「よくやったな」と言ってもらえるような結果を出す。シンプルにそれだけです。
ベンチャーが大企業と並んで仕事をするというのは、普通なかなかできないことです。だからこそ、この機会を絶対に活かしたい。1〜2年後、あのスタジオがパンパンになるまで諦めません。

ベンチャーが大企業と並んで仕事をする。だからこそ、この機会を絶対に活かしたい。

GMOサムライコンテンツスタジオの詳細はYouTubeでチェック